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AlphonseのCINEMA BOX

管理人Alphonseが観た映画の感想を書いているブログ。

実写映画化特集


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■漫画原作かアニメ原作か

実写映画化といっても原作が漫画のものとアニメのものとでは明らかに評価が違うように思います。
そこで、原作の違いによって実写映画化にどのような影響が出てくるか書いてみようと思います。

作品によって
漫画原作のみ。
アニメ原作のみ。
漫画とアニメの両方がある。
の3つに大別できると思います。

漫画原作のみ

漫画しかないものは、実写映画化に際してアニメ化されるときと同じ批判。
すなわち、
「声がイメージと違う」
「映画用に2時間に話をまとめたため盛り上がりに欠ける」
といった類(たぐい)の批判に晒される覚悟が必要でしょう。

それでも、映像としてのイメージが先行していないだけに演じる役者次第ではヒットするかもしれません。
先に挙げた作品のなかでは「海猿 ウミザル」などがその良い例でしょう。
私が単純に漫画版海猿を読んでいないからですが、海猿=伊藤英明なのです。

アニメ原作のみ

結論から先に書くと、アニメ作品を実写映画化してもまず成功しない。
と思っています。
それは、すでに映像作品としてアニメ版が存在するからです。

例えば「トムとジェリー」では壁にぶつかって粉々になったトムが次のシーンでは元気にジェリーを追い回していたりします。
これをCGでどんなにリアルに作っても面白くはないでしょう。
アニメの世界にしかない(でしかできない)演出だからアニメ的に作るしかないだろうと思います。
また、トムの仕掛けた罠が上手く動作せずジェリーに逃げられた後、4本の指を順番に上下させるシーンを誰かに演じさせても空々しい感じがします。
おそらく、ハリウッド映画でそんな仕草をした役者を一人も見たことがないからです。
これもアニメ特有の表現だと思います。

また、「風の谷のナウシカ」で髪が風になびくシーンがありますが、これもアニメ特有の表現です。
アニメで動きを表現することの大変さはアニメに少しでも詳しい人なら知っていると思います。
だから、わざわざ動かさなくてもよい髪を動かしていること自体に意味があるのです。
ともすると紙芝居になってしまいそうなアニメになんとか立体感やリアリティを出すための工夫なのです。
実写で髪をなびかせても見ている人は大して驚きはしないでしょう。
アニメで表現するから意味があるのです。
さらに、「魔女の宅急便」でもブラシで飛び上がる前にブラシの毛が逆立ち、スカートが波打ち、辺りのゴミが舞いますがこれもナウシカ同様、動かさなくてもよいものを動かしていることに意味があるのです。
実写で作れば「ハリーポッター」のようになるに決まってます。

最後にアニメの登場人物の語り口は独特です。
実写版も声だけはアニメと同じ声優でなければ納得できないと思います。
もしくは、アニメの声優によく似た誰かに設定を変更する必要があると思います。

このように、アニメ作品を実写化するのはかなり難しいのです。

漫画とアニメの両方がある

この分類に属する作品は、実写化に際して最もハードルが高くなります。

「ルパン三世」や「クレヨンしんちゃん」の独特な語り口。
「ちびまる子ちゃん」の額から目のあたりに描かれる縦線。
「サザエさん」のデッサンを無視した異様なまでの頭のデカさ。
頭の後ろにある冷や汗とか、驚いた時に飛び出る目。。。

漫画特有の表現(デフォルメ)は同じ2次元であるアニメならどうにか表現可能ですが、実写版でCGを駆使して、額から目のあたりに縦線を入れたり、驚いた時に目を飛び出させたりしても、現実にはそんな事は起こらないのですから、不自然極まりないのです。

余談ですが「ALWAYS 三丁目の夕日」はアニメになったことがあります。
ところが、アニメ版は大した人気もないまま終了してしまったため先行したイメージがなく、実写版は漫画とはかなり異なる内容だったためヒットしたのです。


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