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管理人Alphonseが観た映画の感想を書いているブログ。
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SPECIAL BOX。
第19弾は、「宮崎駿監督作品」特集です。
最初に断っておきますが、宮崎駿監督が参加した作品を全て観ている訳ではありません。
監督として製作されたもののみについて書いていこうと思っています。
そのつもりでお読みください。
それでは、お楽しみください。
もっと早く特集を組みたかったのですが、なんだかんだで今年(2016年)になってしまいました。
引退を決意された直後に色々書きたかったのですが、
「すぐに復活するかもしれない」
とまとめ的な内容を控えていたのです。
(結局、復活してしまいましたが。)
個人的に好きな作品は「ナウシカ」「ラピュタ」「紅の豚」の3作品です。
子供向けの「トトロ」「ポニョ」は子供の頃に見ていれば興奮したでしょうが、大人になってから観たのでそれほどでもありません。
「もののけ」「千尋」は説教臭いし、「ハウル」は最後までよくわからなかったし、「風立ちぬ」はいい映画でしたが、地味でしたかね。
「ルパン」はTV版の頃から娯楽作品として面白かったので、純粋に宮崎駿監督作品として評価していいものかどうかわかりませんから。
それでも、「ルパン」「ナウシカ」が1979年、1984年の映画なのに、いまだにTVで放映されるのはすごいことです。
同時期に制作された実写映画が果たして今でも鑑賞に耐えうるか疑問です。
前回の実写映画化特集では書きませんでしたが、アニメだからこそ時間の経過による風化が抑えられているのだろうと思います。
「ナウシカ」は未来の話なので風化しようがありませんが。
実写作品では当時流行の衣装や車など、どうしてもその時代の空気感が映像に出てしまいます。
監督にその意図が無くても主人公の歩く街並に走っている車のデザインが古臭いと、それが作品を風化させてしまいます。
裏を返せば、実写映画で戦時中とかを舞台にする場合、車や衣装を当時のものにするだけでそれらしくなります。
話が脱線しましたが、全般的に夢と希望にみちた話が多く、独自の演出で観客を飽きさせないもっとも有名なアニメ作品群なのでした。
宮崎作品には他のアニメ作品にはない独特の演出があります。
実はこれが宮崎作品の人気の秘密でもあり、引いては実写作品がアニメに太刀打ちできない一因の一つでもあるのです。
それを具体的にいくつか挙げてみましょう。
「ラピュタ」にはパズーとシータが抱き合って廻っているうちに、崖の近くまで来て落ちそうになるシーンがあります。
また、追っ手の車が崖ギリギリで止まるシーンがあります。
他の作品でも高所で手すりギリギリに立っていたりします。
これは何気ないシーンだけれども観客に緊張感を与える演出です。
場合によっては落下するかもしれません。
落下したら新たな展開になるかもしれませんね。
いずれにせよ観客はスクリーンに釘付けになるのです。
現実ではそんな足場ギリギリの所に立ちませんが、実写映画で同じことをやろうとすると簡単なようで実は大変難しい。
出演者が本当に落下したら大事故ですから安全対策が必要ですし、寸止めになるように止まらないといけないのですから。
確かジャッキー・チェンが「WHO AM I?」で寸止めをやっていたぐらい、実は非常に危険な演出なのです。
「トトロ」ではメイが転ぶシーンが出てきます。
また、「風立ちぬ」では二郎が畳の上の設計図に滑って転びます。
他の作品でも登場人物が転んだり転びそうになったりします。
これはストーリー上では転ばなくても一向に問題ないのですが、何気ないシーンに動きをつけるため、ワザと転倒させているのです。
もしかしたら主人公の心理的な焦りの表現なのかもしれません。
宮崎監督の師匠である大塚康生というアニメーターが、
「アニメは動いてナンボ」
という考えの持ち主だったからかも知れません。
動かさなくてもいいものを動かしているのです。
ただし、「トトロ」のメイは違います。
実際、子供はよく転びます。
背を低くするだけではリアリティが出ないので、転んでいるのかもしれません。
「かぐや姫の物語」の高畑勲監督の入れ知恵かもしれませんが、そこは不明です。
ちなみに「かぐや姫の物語」でも幼少期のかぐや姫は転びます。
逆に実写映画では子供は大人顔負けの名演をみせ、転びません。
どちらがいいとは言いがたいのですが、よく転ぶ子供というのは宮崎作品独特の演出だと思います。
「トトロ」では少年が模型飛行機を作っているシーンが出てきます。
このシーンを観た時、宮崎監督は
「空飛ぶの大好きじゃん」
と思ったものです。
他の作品にも空飛ぶシーンが数多く登場します。
アニメをセル画で作成する場合、セル画を右から左へ動かすだけで空を飛んだような映像が簡単に作成できました。
ところが宮崎作品は違います。
飛行機を下から映して上昇させてみたり、眼下の風景がどんどん小さくなったりします。
わざわざ手間のかかるアングルのカット割を入れているのです。
一方で「魔女宅」の配達中のキキはセル画の手法そのままだったりしますが。
実写映画では空を飛ぶのは大変です。
CGを駆使しないと同じようなシーンは無理でしょう。
アニメ作品の本領発揮といった所でしょうか。
ハリウッド映画には空飛ぶ作品が数多くあります。
「スーパーマン」「スパイダーマン」「アイアンマン」など。
宮崎作品が公開された頃は「ハリーポッター」でした。
どれも大ヒットしているので、空を飛ぶ映画を作ってヒットさせたいと思っていたのかもしれません。
単純に宮崎監督が空飛ぶのが好きという理由だけかもしれませんが。
この他にも探せば色々と見つかりそうですが、すでに色んな人がブログなどで書いているので、私が気付いたものだけに絞りました。
ここからは、宮崎作品が公開された頃のアニメ事情をわかる範囲で書いていこうと思います。
TV版ルパンのスタッフをしていた頃。
この頃のアニメ界は視聴率がよければすぐに続映決定。
映画でいうところの続編決定。
1年以上続くアニメなど普通でした。
ところが、スタッフは半年の予定で作ったものが、もう半年とか急に延長になる。
毎週締め切りに追われる漫画家同様、急遽脚本と作画をこなさなければならない。
しかも満足いくものができなくても納品し続ける制作現場。
それでも食べるために仕事の好き嫌いなどいっていられない。
なんだかんだで、「未来少年コナン」の後に「ルパン」を手がけることになります。
実はこの時、神のいたずらとしかいいようのない偶然なのですが、奇しくも「ガンダム」の初回放送があったのがこの年なのです。
その後、「名探偵ホームズ」という知っている人は知っているが、知らない人はおそらく全く知らないアニメを手がけます。
犬を擬人化したホームズが毎回難事件を解決してゆくというお話です。
高所の寸止め演出もあって私は好きだったのですが、いつの間にか終了してしまい、再放送されることもない幻のような作品です。
これ以降しばらくTVでは宮崎作品を目にすることは出来なくなるのでした。
(後年になってウィキペディアで知ったのですが、「名探偵ホームズ」にはホームズがタバコを吸うシーンがあります。そのシーンに対してホームズの原作側からクレームがきたため中止になったのだとか。)
この頃のアニメ界は「ガンダム」人気の影響を受けてロボットアニメ全盛期。
「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」が公開されたのもこの頃。
映画界も「ガンダム」のヒットを受けて角川が「幻魔大戦」を公開し、アニメ作品を手がけるようになります。
しかし先述した高視聴率のアニメほど延長に次ぐ延長。この傾向は私の知る限り、80年代後半頃まで続いたはずです。
そのため「うる星やつら」のTV版は総集編だらけになり、「超時空要塞マクロス」のTV版の延長部分は作画のクオリティが急激に落ちています。
高視聴率が取れるぐらいクオリティの高いものを作れば作る程、過酷になる製作現場。
まさに本末転倒。
しかも「ガンダム」人気の影響でTVアニメの放送は急増します。
スタッフ(アニメーター)の数が急激に増えるわけではないのに、放送される作品は増えていく。。。
ついに作画崩壊という事態を引き起こす事になるのですが、それは90年代に入ってから。
このアニメ業界の自転車操業的な悪しき慣習こそが、宮崎監督があれほど人気作を製作していながら「ホームズ」以降TVアニメを製作しなかった理由でしょう。
しかも製作側のスポンサーからの意向に沿う形でしか作りたいものが作れない。このあたりの辛酸を舐めたのは富野由悠季監督でしょうが、ここは宮崎監督作品特集なので割愛します。
その富野監督にライバル心があったのか、TVアニメでは満足のいくものが作れないと思ったのか、宮崎監督なりの近未来SFを世に問うたのが、「ナウシカ」。
そして時代をスチームパンクと呼ばれる蒸気機関全盛の時代に移し、SFともファンタジーともとれる作品が「ラピュタ」でしょう。
今でこそ名作と呼ばれる二作品ですが、公開当時はそれほどヒットしたとはお世辞にも言いがたいものでした。
「ガンダム」人気に押されて一部のファンの間でしか評価されなかったように思います。
緻密な設定を良しとする「ガンダム」とは似ても似つかぬ茶色のロボットが登場するぐらいで、メカらしいメカは一切出てこない。主人公のパズーも昔のアニメに登場したような典型的な熱血キャラですしね。
同じ近未来SFの舞台では「ガンダム」には太刀打ちできないとおもったのか不明ですが、子供向け作品として「トトロ」を世に出します。
知っている人は知っているとおもいますが「アルプスの少女ハイジ」を手がけたことのある宮崎監督。
自分の得意分野で勝負しようと思ったのかもしれません。
けれど、すでにアニメは子供だけのものではなくなってきていました。
「AKIRA」が「トトロ」と同じ年に公開されているのですから。
このように宮崎作品のライバルは「ガンダム」から始まったロボットアニメとの戦いでもあり、大人向けアニメとの戦いでもあったのです。